2024.03.22 Friday
中年太りが起こるメカニズム 神経細胞の「ひげ」
健康診断の時期がやって来ました。「太った…」という言葉を耳にします。加齢に伴って肥満となる「中年太り」は、脳内の神経細胞が持つ「ひげ」のような構造の縮小が関係していると、名古屋大などの研究チームが発表しました。ラットを使った実験では、食事制限でひげの縮小が抑えられ、効果的に肥満予防ができたという内容です。
人間は40〜50歳代にかけて代謝量が低下し、太りやすい体質になることが知られていますが、詳しいメカニズムは不明ででした。 研究チームは、脳内の神経細胞が持つ「一次繊毛」と呼ばれる長さ約0.01ミリ・メートルの構造に着目。ラットで、代謝促進などに関わる神経細胞の一次繊毛を観察すると、加齢に伴い短くなっていた。また、一次繊毛を遺伝子操作で人工的に縮ませると、代謝が低下して食欲が増加し、体重や体脂肪率が上昇しましました。 一方、老齢ラットに食事制限を2か月間行うと、縮んでいた一次繊毛が復活することもわかりました。同大の中村和弘教授(生理学)は「人間でも同様のメカニズムがあると考えられ、今後の医薬品の開発も期待できる」と語っています。(読売新聞より) |